シーラントって何?目的は?
奥歯の噛み合う面にある溝は、汚れが溜まりやすいため、虫歯の発生しやすい場所です。その虫歯予防に役立つのが、シーラントという方法です。
フッ素入りの樹脂で奥歯の溝を埋めることで、汚れが溜まりにくく、またブラッシングしやすくすることができます。
主に6歳くらいに生えてくる6歳臼歯に対して行いますが、それ以外の奥歯に対して行うことも可能です。
子供がシーラントを使用するメリット・デメリット
メリット
虫歯が予防できる
溝を埋めて平らにすることで、汚れが溜まりにくく、ブラッシングしやすくします。これにより、虫歯のリスクが低くなります。
歯を削らず残せる
シーラントでは、歯を削ることはありません。あくまで、溝を樹脂で埋めることで虫歯を予防します。
歯質が強くなる
フッ素入りの樹脂を使用することで、歯質の強化、歯の再石灰化促進の効果が得られ、虫歯になりにくくなります。
短時間で処置ができる
シーラントの所要時間は5~10分、長くても20分ほどです。
デメリット
正しい方法で行わないと逆効果
樹脂で溝を十分に埋められなかったり、盛り上がってしまったりすると、逆に虫歯リスクが高くなります。適量の樹脂で溝を埋め、平らにすることが重要となります。
すべての虫歯を予防できるわけではない
あくまで樹脂を埋めた範囲、つまり奥歯の溝に発生する虫歯のリスクを下げる処置です。
毎日の丁寧なブラッシングはもちろん、定期的な歯科医院でのクリーニング、フッ素塗布などで、虫歯予防に努めることが大切です。
効果は永久的ではない
シーラントは、噛むたびに少しずつですが、すり減っていきます。虫歯予防効果は永久的ではありません。効果を持続させるためには、半年に1度程度のシーラントが必要になります。
シーラントは何歳から?大人にも効果はある?
シーラントを行うことが多いのは、6歳臼歯が生えてくる6歳頃のお子様です。
それ以前の奥歯であっても、お子様が協力的である場合には実施が可能です。なお一般に、歯質が完成したり第二大臼歯が生えてくる12~13歳頃まで行うのが効果的であり、それ以降の年齢であればシーラントの必要はないとされています。
シーラント処置の手順
1歯の汚れを落とす
歯の表面に付着した汚れを、きれいに落とします。
2接着する薬を表面に塗る
奥歯の噛み合う面の水分を拭き取り、薬を塗ることで、シーラントが接着しやすい状態を作ります。
3シーラントを溝に流す
フッ素入りのシーラントを流し込み、平らになるよう形成します。この時、唾液が混入しないように注意します。
4シーラントを光で固める
光を20秒ほど当てることで、シーラントを硬化させます。
5噛み合わせチェック
シーラントを盛りすぎると、噛み合わせが悪くなってしまいます。噛み合わせチェックを行い、問題なければ完了です。
シーラントはしない方がいい?体に悪いと言われる理由
1996年、アメリカの科学雑誌にて、シーラント材に含まれる「ビスフェノールA」に、ヒトの本来のホルモンの働きを乱す環境ホルモンに似た作用を持つことが指摘されました。
そして現在のシーラント材にも、ビスフェノールAを原料とする「ビス-GMA」が使用されています。しかし、ビス-GMAは限られた条件下(強アルカリ性・酸性・高温下)でのみビスフェノールAを生成するため、口腔内のシーラントに使用する中で生成・流出する危険性、および人体への影響はないとされています。
もしご不安なことがございましたら、お気軽に歯科医師にお尋ねください。
子供のシーラントは保険適用?費用は?
子供へのシーラントには、保険が適用されます。3割負担として、歯1本あたり患者様のご負担は500円程度が目安となります。
※その他、初診料、再診料などが別途必要になります。
東大阪市の子ども医療費助成制度
東大阪市では、「子ども医療費助成制度」として、医療機関や訪問看護ステーションを受診する際に、「医療証」と「健康保険証」を提示することで、健康保険の適用となった医療費の自己負担額を一部助成しています。対象となる場合には、ぜひご利用ください。
対象者:東大阪市内にお住まいで、健康保険に加入している18歳到達後最初の3月末日までの方