受け口・しゃくれ(下顎前突)

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しゃくれた状態の「下顎前突(かがくぜんとつ)」とは

しゃくれた状態の「下顎前突(かがくぜんとつ)」とは

下顎前突とは、下の前歯が、上の前歯よりも前方に位置する不正咬合です。一般には、「受け口」や「しゃくれ」とも呼ばれます。日本人は比較的下顎が大きい人種であり、海外と比べると下顎前突になる人が多いと言われています。
乳歯の生え揃う3歳くらいで目立つようになることもあれば、12~15歳くらいで目立つようになることもあります。いずれにせよ、大人になってから下顎前突になる、ということは多くありません。また骨格に問題がある(上顎が小さすぎる・下顎が大きすぎる)場合には、小児矯正としても早期となる4歳くらいからの治療が必要になります。

受け口・しゃくれ(下顎前突)の原因

下顎前突の原因には、以下のようなものがあります。

遺伝

上顎が小さい、下顎が大きいといった骨格の特徴は、親から子へと遺伝します。
ご両親のどちらかが下顎前突である場合には、そうでない場合と比べると、お子様が下顎前突になる可能性は高いと言えます。

口の癖・習慣

指しゃぶり、爪噛み、口呼吸、舌で歯を押す癖などを原因として下顎が前方へと押し出されたり、下顎の歯が傾くと、下顎前突になることがあります。

前歯の歯軸が傾斜している

骨格に何の問題がない場合でも、下の前歯が前方へと傾斜している場合には、下顎前突と診断されることがあります。

しゃくれ・受け口を放置するリスク

成長と共に受け口が進行する

下顎の成長は、思春期に顕著になります。そのため、それ以前から受け口であった場合には、より歯並びの悪化や顔貌の変化が目立ちやすくなります。癖・習慣を放置している場合には、特にそのリスクが高くなります。
また顔貌への影響が出ている場合には、お子様がひどく悩んでしまうことがあります。

噛む力が衰える

他の歯並びの乱れと同様、受け口の状態では正しく食べ物を噛むことができません。すると顎の筋肉も発達しにくく、さらに歯並びが悪くなるということが起こり得ます。
胃腸への負担が増したり、集中力・運動能力を発揮できないといった問題も起こります。

サ行・タ行の発音障害が生じる

空気が不正な漏れ方をするため、発音に支障をきたします。
特に、サ行やタ行の発音が難しくなると言われています。

下顎前突の治療方法

下顎前突の治療法としては、以下のようなものがあります。

ムーシールド

下顎前突専用のマウスピースです。装着によって舌を正しい位置に誘導・安定させます。
装着時間は原則、就寝中のみです。

チンキャップ

ヘッドギアのような見た目をしています。
ヘッドキャップから伸びるゴムの力を利用して、下顎を後方へと移動させます。在宅中(1日12時間以上が目安)に装着できれば、幼稚園や学校につけていく必要はありません。

マイオブレース

指しゃぶりや舌の癖などの悪習癖を取り除くことで、顎の適切な発達を促すマウスピース型の矯正装置です。
装着時間は、就寝中+日中の1時間です。

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リンガルアーチ

上顎の前歯が後方へと傾斜している場合に適している装置です。
傾斜を正し、下顎前突を改善します。

拡大床(床矯正)

装置の中心にあるネジを回し、歯に内側から力をかけ、顎を拡大する装置です。
1日の装着時間は、20時間以上が必要となります。

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下顎前突は自分で治せる?トレーニング方法

下顎前突は自分で治せる?トレーニング方法

年齢や程度によっては、ご自宅でのトレーニングによって下顎前突を改善することが可能です。代表的なトレーニング方法をご紹介します。

  1. まずは唇を閉じて、舌先を、左下の奥歯の外側に置きます。
  2. 舌先を、歯列に沿って、右下の奥歯の外側に向かって移動させます。この時、下先で下の前歯を内側に抑えることを意識してください。
  3. 今度は、舌先を左下の奥歯の内側に置きます。
  4. 舌先を、歯列に沿って、右下の奥歯の内側まで動かします。
  5. 「①」~「④」を、1日に5~10回行います。

※トレーニングによって必ず下顎前突が改善するとは限りません。
また、トレーニングのみで十分な効果が得られないこともあります。
歯科医院で治療を受けながら、トレーニングを行うことをおすすめします。